スーパーや薬局で口腔清掃用具が多数、多種類販売されているということは患者さんが、すでに1本の歯ブラシで効率の良いプラークの除去ができないことに、気づいていることを示しています。
現在では歯科医院で行う口腔清掃指導は、適切な清掃用具の選択と適切な使用方法を、正確に伝えることに集約されています。
現在の歯周病の科学からお伝えいたしますと、歯科医院で行う口腔内のプラークコントロールは、機会的及び薬物的プラークコントロールです。
歯周病に熟知した歯科医師や、歯周病に熟知した歯科医師に指導を受けた歯科衛生士が、行なってこそ効果が得られるということ。
プラークの除去を確実に行うために、機械的なプラークコントロールつまりPTC(専門家による歯面清掃及び歯肉縁下2-3 mmの紙面清掃)とから成り立つ。当然物理的化学的な歯面清掃指導は、生物学と形態学及び行動心理学の知識からなりたちます。
歯科医院で行うプラークコントロールは、
- 疾患のある部位
- セルフケアーが困難な部位
以上に集中して行われております。
ですから、患者さんがセルフケアーしやすい部位を改めて指導したり、プラークを除去したりすることは時間の無駄であるばかりでなく、このような処置を継続的に行っていれば歯肉の退縮や、楔状欠損を引き起こす可能性が高くなります。
言い換えるならば、歯面や根面に軽く付着しているに過ぎないプラークを過剰な力で除去することは、歯肉や歯質の削除を行っていることになります。
歯の健康のための歯磨き、過剰な回数の歯科医院通院が、歯を痛めている可能性もあることに気づく必要があります。
含嗽剤は歯周病に効くのだろうかとの質問が、患者さんからも受けることがあります。
効くか効かないかということを答えるまえに、いかなる薬品であっても薬剤である限りにおいては、菌交代現象や耐性菌などの予期しない変化のあることは、化学的プラークコントロールにおいても同様です。
以上のような化学的事実の元に我々は、プラークコントロールを行っております。