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フッ素の虫歯予防と安全性

フッ素の虫歯予防効果

フッ素利用にあたって注意していただきたいこと

  • フッ素による虫歯予防は、いろいろな病気の予防注射のように処置したら確実にその病気にならないといった予防法ではありません。
  • フッ素を用いていても歯磨きや食生活に気を配らなければ虫歯になってしまいます。
  • フッ素塗布を受ける場合は、歯磨き指導や食生活指導もしっかりとやりませんと虫歯予防の目的を達することが出来ません。
  • フッ素だけを頼りに虫歯予防は不可能なのです。
  • 歯をよく磨いている人程フッ素の虫歯予防効果は高くなります。

虫歯を予防する為のフッ素の最も重要な2つの要素

  1. 脱灰(エナメル質からカルシュームが出ていくことーつまり虫歯になる原因となる状態を言う)の抑制
  2. 再石灰化の促進

ここをよく理解してもらわないと、いかにもフッ素が虫歯を予防すると勘違いされるのです。フッ素による虫歯予防治療、それ自身が齲蝕病巣の発生や進行を阻止するわけではありませんので細菌性の プラークを除去する患者自身の口腔衛生行為が重要なのです。つまり 虫歯予防にフッ素を使用する場合プラークコントロールの水準が高いほど有効なのです。

 


 

フッ素の安全性

フッ素イオンは魚介類をはじめ日本茶などにも微量に含まれており、自然に存在している物質です。しかしながら、高濃度のフッ化ナトリウムともなれば人の体をも浸食する劇薬です。鉄イオン、カルシウムイオンなど健康食品並みに、人はみな競って摂取しています。

鉄もカルシウムも適量の摂取で医療薬品としての効果があるのです。フッ素にも同じことが言えるのです。過剰摂取により斑状歯が起こり一部の研究では発ガン性があるとか、ダウン症の発生が高まるといった報告もあります。適正な摂取により、健康な歯の虫歯予防に大きな効果を発するのです。

鉄、カルシウム、亜鉛などを過剰に取ると健康を害し、適量では健康食品サプリメントになるのです。 極端な例が、水銀さえ適量を守れば「マーキュロクローム【赤チンキ】」として消毒薬に用いられていました。フッ素が特別なことではないのです、適量が健康食品のサプリメントとお考えください。

パラセルサス(1493-1541)の言葉
パラセルサはスイスの医師で毒性学の父といわれています。 「全ての物質は毒性を持ち、毒性をもたないものは存在しない。唯一「量」が、毒性の無い事を表す事が出来る」 毒か否かは量によるという事を言っています。

 

フッ素大反対の方々の会議で出されるお茶には微量のフッ素が含まれており、虫歯抑制効果を発しているわけです。 フッ素が完全に安全であると言っているわけではありません。 いろんな意見があるのですが。 フッ素の毒性に関しては大がかりな疫学調査が必要ですが、同時に的確な統計的解析が要求されます。 フッ素が安全かどうかを判断するのは、どの調査結果を信じることかということにも言い換えられます。

ご心配の方は、フッ素を使用しないで、虫歯予防をすれば良いのです。 虫歯予防はなにもフッ素だけが全てではないのですから。 ただ、虫歯になりやすいリスクの高い方はフッ素が非常の効果的に虫歯を抑制するという事実があります。

比較的、安全にうるさい米国の毒性学プログラム(NationalToxicologyProgram:NTP)の結果では 「フッ素と発ガン性との関連は立証することはできなかった」としています。また米国公衆衛生局の フッ化物の利益とリスクに関する報告書「AdHocレポート」でもフッ化物の齲蝕予防への利用を 推奨しています。

「歯科医学の中で、歴史的に永い疫学研究の背景を有し、しかも生命科学で実施されている虫歯の予防方法ーそれはフッ化物(フッ素)の応用である」(高江洲義矩)

 


 

フッ素の全身的利用

全身的なフッ化物利用(水道水、調理用の食塩 清涼飲料水 あるいはフッ素の飲む錠剤)と局所的フッ化物利用はともに、確実なう蝕予防プログラムには欠くことはできないという膨大な研究があります。

全身的なフッ化物利用と局所的フッ化物利用はともに、いかなるう蝕予防プログラムにも欠くことはできないというのが、現在のフッ化物の虫歯予防の最前線の考え方のようです。

このような背景から アメリカの州単位の判断で水道水にフッ素を入れて、フッ素入り飲料水でムシ歯抑制をしている結果がでていますが、その反面 「水道水にフッ素を入れるなと」と住民のデモが繰り返されているのも事実のようです。

一開業医の岡村歯科が、水道水のフッ素化について意見を述べる立場ではありませんので、せめて 御来院の患者さんに セルフカリエスコントロールは、フッ化物濃度、継続利用期間と頻度、またある程度、利用するフッ化物製剤にも影響を受けることをご説明致します。

岡村歯科によるフッ化物局所利用(溶液, ゲル,フォーム、バーニッシュ)は患者のう蝕リスクに応じて適応しています。カリエスリスク検査は多岐にわたりますので、岡村歯科でのカリエスリスクチャートで判断させていただいています。ご了解ください。

さらに詳しいカリエスリスク検査をご希望の時は 大学病院での専門機関での検査をお勧め致します。大事なのは検査結果もさることながら、カリエスリスクに応じた予防プログラムであり、それを守っていただく患者さんの努力とご両親の熱意だと思います。

ムシ歯は細菌感染の病気である(現在、ムシ歯は生活習慣病であるという研究論文が多数あることも当院では理解しております。 詳しくは当HPの虫歯予防唾液検査(link:https://www.okamura-118.com/salivatest.html)をお読みください。)事を、患者も歯科医院サイドも十分に認識しないと、虫歯予防プログラムは継続不可能になり破綻します。