虫歯予防効果のある歯みがき法
社会保険研究所が発行する「う触予防のためのフッ化物配合歯磨き応用マニュアル」でも紹介されているこの方法ですが、日本ではあまり普及していません。効果的な予防法ではあるものの、日本の国民性、特に女性には抵抗があると感じられることもあります。
先日、若いロシア人女性の患者さんと話をしたところ、彼女自身は実践していないものの、彼氏はこの方法を実践しているとのことでした。海外ではポピュラーな歯磨き法のようです。その際、岡村歯科医院の「虫歯予防歯磨き法+含嗽法」を説明したところ、彼女も興味を持ち、実践してくれることになりました。
歯磨き粉を使わない「ノンペースト歯磨法」
日本では一時期、歯磨き粉を使わない「ノンペースト歯磨法」が流行していました。この方法に問題はありませんが、他にも有効な方法が研究されています。
最新の虫歯予防法は、スウェーデン・イエテボリ大学で開発された「イエテボリ法」から始まり、後にシェーグレンらによって改良されました。この方法は、フッ素含有量1500ppmのスウェーデン製歯磨剤を使用しており、日本の歯磨き粉(1450ppm)よりもフッ素濃度が高いのが特徴です。
フッ素使用に抵抗がある方へ
フッ素を使用したくない方は、歯磨き粉を使わずに空ブラシで歯磨きをすることもできます。また、「カイスの3つの輪」の一部または全てを小さくすることで、虫歯予防効果が期待できます。
正しいフッ素歯磨きの方法
日本製の歯磨き粉には、1450ppmのフッ素が含まれているものが義務付けられており、通常の家庭用歯磨き粉で十分な虫歯予防効果があります。歯磨き粉の裏面に「フッ素1450ppm」と記載されていれば、使用に値する歯磨き粉です。
虫歯予防効果を最大限に引き出すためには、シェーグレン―イエテボリ法を基本とした方法が推奨されます。以下にその手順を示します。
Dr.ブラッタールの2+2+2+2法
1日2回、朝食後と夕食後に以下のステップを実践してください。
歯磨き粉を2センチ程度、ブラシに取り、2分間しっかり歯を磨きます。
磨いた後、2分間はうがいをしないで、フッ素をエナメル質にしっかり浸透させます。
また、デンタルフロスを使用する場合はこの時間に行います。
この間、口の中で歯磨き粉と唾液を混ぜる「スラリー法」も有効です。少量の水を口に含んで20秒間ブクブクうがいを強めに行います。
*虫歯予防のためのデンタルフロスは、素人が行っても食べカスなどの除去には効果がありますが、虫歯予防の効果はありません。
*研究では、プロがやれば効果があるという結果が出ておりますので、歯科医院にてフッ素処置してもらってください。
お子様の歯磨きについて
お子様が大人用の歯磨き粉を使用する際は、以下の量を守ってください。
・7歳以上:2センチ
・6歳臼歯が生え始めたら:豆粒大
・6歳以下:米粒大
また、デンタルフロスは中学生以上に歯肉炎予防効果があります。