Saving the tooth
虫歯治療と歯の保存
Our cavity treatment
歯を残す当院の虫歯治療
虫歯治療も選択する時代です。
削ってしまった歯・取ってしまった神経は、元には戻りません
虫歯治療は、原則として虫歯菌を全部取り除くことが必要です。 早期に虫歯を発見した場合には、虫歯の部位を簡単に取り除くことができますが、深くまで虫歯が進行している場合には、歯を多く削る必要がある他、神経の中にまで入り込んでしまった場合は、神経を取ることになってしまうことも少なくありません。 当然ですが、神経を取ったり、削ってしまった歯は、元に戻すことはできません。 当院では、歯の保存を最優先に虫歯治療を行っております。 ぜひご相談ください。
Standard cavity treatment
通常の虫歯治療について
虫歯治療は、原則として虫歯菌に感染した箇所を全部取り除くことが必要です。
虫歯は、細菌である各種虫歯菌による感染症です。細菌に感染した歯の病気です。
例えば、虫歯になった歯は細菌に感染した指先の傷口と同じ、とお考えください。
どんな病気も病原体(細菌)の徹底的な除去が必要です。
指には血液が流れていますので、傷を消毒して細菌を死滅させ、抗菌剤を服用。重篤な傷や感染の場合は点滴で抗菌剤を入れます。そうすれば体内の細菌が死滅し、体の治癒能力で皮膚が再生、再感染を防ぎます。
しかし、残念ながら歯には血液が流れていませんので、抗菌剤の点滴、服用では虫歯菌による感染を治癒する事が出来ません。
そのため、虫歯菌に感染した歯質をすべて除去するしか方法は有りません。皆さんが嫌いな歯をガリガリと削る行為が細菌感染箇所の除去なのです。
その方法は2つ有ります。
機械的除去(タービンやエンジンでの虫歯菌の切削除去)と化学的除去(タンパク質溶解剤による微妙な虫歯菌感染部位の除去)です。
この2つを組み合わせて感染箇所の細菌除去を基本的に行います。
体の一部の感染箇所の除去ですから、基本的にはドレーピングが必要です。
虫歯治療ではラバーダム防湿になります。
深くまで虫歯が進行してしまっている場合は、感染した細菌だらけの象牙質を沢山削る必要があります。
自覚症状が無いけれど深い虫歯の場合は、出来れば歯髄を出さない治療をしたいのです。
出来るだけ歯髄を保存したいのです。
つまり歯髄(歯の神経)を除去しないですむような虫歯治療を岡村歯科は目指しています。
虫歯菌の感染で歯髄(歯の神経)が炎症を起こして歯髄炎にまで虫歯が進行している場合は、歯髄(歯の神経)を取ることになってしまうことも少なくありません。
当然ですが、神経を取ったり、削ってしまった歯は、元に戻すことはできません。
当院では、歯の保存を最優先に虫歯治療を行っております。ぜひご相談ください。
Please do not remove the nerve
神経を取らない歯の保存治療
深い虫歯の感染した歯質を完全に削り取り除くと歯髄が出てしまいます。そんな時、通常はCa(OH)2を用いて直接歯髄覆髄法を行います。3ヶ月から6ヶ月経過して歯髄の中に第二象牙質が出来て、自覚症状の無いのを確認したら充填行為に入ります。
一方、アメリカのロマリンダ大学で研究された「プロルートMTA」セメントは、深い虫歯も間接歯髄覆髄や直接歯髄覆髄で1回か2回の処置で歯髄を取らずに処置は完了します。ただし咬合回復の保存処置はその後です。プロルートMTAセメントは最近日本でも流行しています。
歯牙の保存療法を長年専門にしてきた私としては、MTAセメントは10年ほど使用していますが、ある部分では夢の薬と言えるでしょう。
歯の神経を残す保存治療をCappingといいます。歯髄を取らない治療、つまり歯を生かす治療は患者さんの歯の寿命を飛躍的に延ばします。「プロルートMTA」のほかに「ドックベストセメント」も症例により使い分けながら歯髄を生かすCapping治療をおこなっています。なお、当院では3Mixは使用しません。
現在当院では、この2つのセメントの他に、伝統的なZOEやハイボンドセメントを使用することにより歯の削る量を少なくして、歯の寿命を飛躍的に延ばしております。3Mixや水酸化カルシウムは歯質に固定されずに死腔を作り、薬がずれるのでCapping治療には使えないのです。
歯の保存治療にはラバーダムの使用が原則です。
Cappingのセメントを使用して成功率を高くするには必ずラバーダムが必要になります。ラバーダムを使用しない、このセメントの使用はあり得ません。
さて、「歯髄保存のCapping処置」は硬組織部分の感染に対する処置のため、深い虫歯の場合は虫歯菌の出す菌体外毒素が象牙細管から侵入して、歯髄は炎症をおこします。自覚症状がなくても慢性の炎症細胞浸潤は部分的、あるいは広範囲に歯髄組織にひろがっています。
保存治療をする世界の歯科医のバイブル書「The Dental Pulp」は、ご存知 Seltzer & Bender の共著です。この本の中に何とエナメル質の白濁があってもそれに対応する歯髄には変性が見られると書かれています。其の歯髄の病理標本まで出ています。
それなのに自覚症状の無い深い虫歯をZOEやMTA、人によっては3Mixを使用して、どれだけ歯髄の慢性炎症は消退するのでしょうか?
間接歯髄覆髄をして数ヶ月後に歯の痛みがでたり冷温水痛が消えなくて抜髄に至るケースは案外多いのではないでしょうか。
あんなに小さい根尖孔から、さらに細い動脈が歯髄に入り白血球その他が消炎作用を行うのですから、歯髄炎の消炎作用を行うには血液量が少なすぎますね。だからといって深い虫歯はいたずらに抜髄しないで、歯髄保存療法が第一選択で症状が悪化したらやむを得ません。感染根管処置となります。
このような症状になる場合もありますので、Doc’sセメント、MTAセメント、3Mixも治療後の経過の悪化の可能性の説明を患者さんへ十分説明する必要があります。
Supporting conservative treatment
虫歯を助ける保存治療
「プロルートMTA」セメント
深い虫歯の感染した歯質を完全に取り除くと、時により歯髄が出てしまうことが有ります。
そんな時、従来はCa(OH)2を用いて直接歯髄覆髄法を行います。3ヶ月から6ヶ月経過して歯髄の中に第二象牙質が出来て、自覚症状の無いのを確認したら、再度残りの軟化象牙質を除去して充填行為に入ります。
一方、アメリカ、ロマリンダ大学で研究されたこの「プロルートMTA」セメントは深い虫歯を除去したら歯髄が一部出てしまっても1回の処置で完了いたします。
また、これ以上虫歯を除去したら歯髄が出そうなときは、虫歯を一部残して「プロルートMTA」セメントをその上に置くことにより、意図的に残した軟化象牙質内の細菌を死滅させて石灰化させますので、歯髄は保存されて生きた歯髄として歯は丈夫に使用する事が出来ます。
歯牙の保存療法を長年専門にしてきた私としては、長い間待っていた薬です。歯の神経を残す治療をCappingといいます。歯髄を取らない治療です。つまり歯を生かす治療は患者さんの歯の寿命を飛躍的に延ばします。
ドックスベストセメント
最新のセメントのようですが実は昔の日本は歯科治療の時、虫歯を削る道具が今ほど良くありませんでした。そのため虫歯を取り残しても虫歯の治療が可能なセメントとしてカッパーセメントというセメントを用いていました。このセメントは銅イオンによるオリゴダイナミー作用で軟化象牙質内の虫歯菌が殺菌されていたとおもわれます。日本の歯科医の先輩達は大変重宝に使用していました。
このカッパーセメントがコンセプトを新たにアメリカで発売されたのがドックスベストセメントだと考えられます。アメリカでは西部開拓時代から使用されたと言われています。OK牧場の決闘のドック ホリデーも使っていたといわれます、真偽は判りませんが。
基本的にはリン酸亜鉛セメントです。操作方法も同じで練るには冷たいガラス練板が必要です。
このセメントは2018年現在、日本では薬事法の認可を受けておりませんので健康保険の適用がありません。もちろん患者さんにその事を説明して、ご了解のもとに使用します。通常の学問的に正しい治療は「虫歯部分を完全に除去」することが基本です。虫歯に侵された感染歯質(軟化象牙質)を完全に除去すると痛みがあるので麻酔が必要です。虫歯菌による細菌感染源を完全除去することが、虫歯治療の原則です。そして、虫歯菌除去中に(軟化象牙質除去中に)歯髄が露出したら「神経を取る」という治療になるのが通常ですが、情況に寄っては直接歯髄覆髄法や生活歯髄切断法が用いられます。
このように深い虫歯のときに神経を取ることを避ける為に間接歯髄覆髄法という治療法があります。ドックスベストセメントは、この治療方法の時に使用します。歯科保存学的には、もう少し感染象牙質を除去してもいいかな…と思いますが、麻酔なしで痛みの無い治療を目標にしたら、軟化象牙質の除去には限界があり、これもドックスベストセメントの特性を生かすには、やむを得ないでしょう。このドックスベストセメントが楽に操作ができ患者さんも痛がりません。このセメントは軟化象牙質を多めに残しますので治療は本当に痛くありません。患者さんに取って楽な治療でしょう。どのような治療方法も長所短所があります。夢のようなことを考えずに、あなたの虫歯がドックスベストセメントに適しているか、治療後どのようなことが予測されるかを担当歯科医によく聞いてから治療を受けてください。「ドックスベストセメントに適した虫歯は、意外にすくない!」と経験的に感じています。
ドックスベストセメントの無痛治療は健康保険が利きません、初診から保険外です
- ドックスベストセメントを使用して当日、白い歯を充填まで(前歯・臼歯)
- ドックスベストセメントを充填して1年経過観察処置
ドックスベストセメントを使用すると麻酔はしない痛く無い治療は1回で終わります。
注意:ドックスベストセメント使用の時は遊離エナメル質が多くなる傾向があるので使用後、歯質の一部破折が起きる事があります。その時は再度治療します。 - ドックスベストセメントを充填して1年経過後の再治療
ドックスベストセメントの注意
- ドックスベストセメントは 軟象牙質(感染象牙質)を多く残しますので、遊離エナメル質が残ります。使用しているうちに遊離エナメル質がかけて修理する機会が多くあります。
- 残した感染象牙質の為に歯髄が自然に死ぬ事があります。また歯肉が腫れる事があります。其の時は、感染根管処置となります。
- 虫歯を取り切らないでセメントの消毒力を期待した治療ですので、長い間水がしみたりする時があります。
同類の治療方法にマスコミで有名になった3Mix療法がありますが、3Mixは固まらないという弱点があり、当院では使用していません。
歯は体の一部で健康な歯は白いのです。虫歯の治療後は元通りに白い歯で修復するのが本来です。
世界各国それぞれの国で 医療保険の事情が異なりますので、「アメリカではこうだ。スウェーデンではこうだ。ドイツではこうだ。それに比べて日本は銀歯ばかり入れている」とのご意見がある事は十分承知しています。医療保険事情は各国異なり、郷に入っては郷に従いということです。
しかし、虫歯予防の研究実践の巨人 アクセルソン先生はこのような事を言っています。
「あなたが鼻の先を怪我して鼻の先を人工のもので置換えなければならない時にあなたは、鼻の先を黒い材料に置換えますか?」
歯の保存治療にはラバーダムの使用が原則です。
この2つのセメントを使用して成功率を高くするには必ずラバーダムが必要になります。
ラバーダムを使用しない虫歯の治療やこのセメントの使用はあり得ません。
現在、当院ではこの3つのセメントを症状により使用し、より歯の削る量を少なくして歯の寿命を飛躍的に延ばしております。
Capping薬品材料は他にも3Mixや水酸化カルシウム、ハイボンドセメント、酸化亜鉛ノージルセメントなどが有りますが、虫歯の状態次第で他に各種使用する場合が有ります。ご了解ください。
軟化象牙質を意図的に残す治療はすべて間接歯髄覆髄法はCappingと言われます。プロルートMTA、ドックスベストセメント、バルクベースライナーを使用する治療方法はすべてCappingです。
つまり第2象牙質の形成を目的としています。Cappingの成功には様々な条件が有り、例えば虫歯の量、象牙質の厚さ、象牙細管の走行、治療時の機械的刺激、数え上げたらきりがない条件が整って初めて成功するものと考えています。
もう一つは『歯髄炎診断の難しさがCappingの予後判定を難しくしている』という事です。患者さんの症状と虫歯菌によって生じた歯髄の炎症レベルが平行しないという事です。
S.Selzerの論文ではエナメル質の白濁状態でも、すでに歯髄に炎症性変化が有るというわけですから、深い虫歯では自覚症状がなくてもかなりの慢性歯髄炎が有ると想定した対応が必要になります。
このように歯髄炎の判定が難しい状況でプロルートMTA、ドックスベストセメントあるいはバルクベースライナーを選択し、使用しなければなりません。
病理学的に慢性炎症のある齲蝕のある歯髄が、歯髄の炎症の消退にむかい、治癒したかどうかは歯髄診断器での定期的な経過観察が必要です。
3 Steps of cavity treatment
虫歯の治療3ステップ
Step1
「虫歯を助ける保存療法」で書きましたように、虫歯で炎症を起こした歯の中の神経(歯髄)を消炎させて、健康な歯髄にあるいは健康になる条件を整える為に、間接歯髄覆髄、直接歯髄覆髄、まれに生活歯髄切断法を行います。
この処置の対症部分は象牙質、歯髄は生体の一部です。処置には、感染防止のラバーダムが必要になります。
こうして、生体の感染部位(虫歯)の処置が終わりましたら、この感染治療が終了した部位を再感染から防止して治癒させる為に、傷口(虫歯の除去で削られた象牙質)を保護しなければなりません。保護行為が充填です。
Step2
虫歯の治療が終了したあとに、削り取られて失ってしまったエナメル質の代用物として、硬いセメント、コンポジットレジン、グラスアイオノマーセメントで修復いたします。
Step3
このように、虫歯の治療が完了したら、上下の噛み合わせを整えて薄くなったエナメル質を保護して、さらに、口腔内全体を安定した咬合にします。
この行為はセメント類、コンポジットレジンなどでは不可能です。咬合面がすり減るのです。きっちりとするには、貴金属の金属、ハイブリットセラミックス、オールセラミックスが望ましいです。
上下噛み合わせの再構成(オクルーザル リハビリテーション)は保険が利きませんのでご相談ください。皆さんは、虫歯は詰めれば良いとお思いですが、医療上ここまでが虫歯の治療なのです。
From middle age
中高年からの歯科治療
歯周病専門医の観点
岡村歯科医院はなぜ歯周病専門医として、数十年開業してきたかと言いますと、その目的は「患者さんが歯を失わないようにすること」です。
歯を失い、インプラントや入れ歯やブリッジを入れなければならない状況が生じないように、全力で患者さんの歯を守る治療の一つが歯周治療であり、確実な虫歯の治療だからです。
患者さんの口の歯を守るには、虫歯の治療も確実にしなければなりません。
歯周治療、虫歯治療完了後のメインテナンスも必要になります。
患者さんにとって、歯科医療を受ける目的は、歯を失わないような治療であり、確かな技術でしょう。
もとを辿れば歯科医療の目的は、インプラントや義歯やブリッジも必要としない、歯を失わないような確実な治療です。
歯科医療担当者に求められることは、まず、歯周病が治せて虫歯が治せる治療です。
世の中、歯科医過剰と言われながら、なぜこんなに毎日の治療の患者さんの口の中が、歯周病が野放しになり、虫歯が再発し、インプラントが入っているのでしょうか。毎日疑問に思います。
全力で歯周病を治療し、虫歯の治療をしたいと行動に移すとき、日本では健康保険制度があり、容易に安価で治療できますが、再治療のない虫歯治療や、歯周病治療に適していない場合が多々ありますので、治療の時は担当医とよくご相談ください。
Tooth preserving treatment
歯の保存治療
患者さんは、目が見えなくなってきたから目をくり抜いて義眼にしてくださいと眼科医に言いますか?
歯科ではよく聞かれますね。歯の具合が悪いので、抜いてインプラントにしてくださいと。
歯も体です。歯を抜かない治療を心がけるのが大事なのではないでしょうか。
当院は、歯周病専門医であるとともに、歯の保存の専門医です。
全身への悪影響は、その歯が存在するために、咀嚼が不十分で食事ができない等の問題がない限り、出来るだけ歯は抜かない方針です。
- 抜歯を宣告された根だけ残った歯でも、歯を再生させる治療方法は、状態により各種あります。
- 深い虫歯も痛みが激しくないかぎり、削らずに治療可能なことも多くあります。
- 当然、歯周病で抜歯と言われた歯も残せる可能性があります。
お近くの歯科医院で相談してみてください。
昔から歯科界では、歯を抜くことが、伝統のような感じです。
抜歯してインプラントするのも一つの賢明な選択ですが、歯を抜かないで残す選択もあることの再検討をお忘れないようにお願い致します。
歯も体です。近代医学では、もう手の施しようがない病気の方には、なんとか代替え医療でもいいから長生きさせてあげて、寿命が尽きて自然死に至るまで手当をしてあげています。これが現代医学の現状ではないでしょうか。
歯は体の一部なのに、病気だからと言って簡単に抜いてしまうのでしょうか?
皆様はそれを簡単に受け入れすぎるのではないでしょうか?
最先端歯科治療ではなくても、抜歯しないでなんとか歯を保存させて、
「自然に脱落するまで支えていく」
「自然死するまで歯を口腔内に存在させる」
といった考え方の歯科治療もあります。
そのため、最先端歯科医療が、あなたの歯に望ましいとは思えない時もあります。
各種ホームページを研究しすぎて自分の歯の状態とは全く適応しない、当院が聞いたこともない治療方法を希望する方もおります。
総合的な判断する大学病院や口腔外科や歯科医を聞き回ってください。そして納得するところに落ち着いてください。当院があなたの歯の保存に値する技術の歯科医院でない時も多々あります。その際は、他院を紹介いたします。
Not getting implants
インプラントをしない歯の保存治療
抜歯をするのが適切かと思われる歯も保存できる治療の選択肢があることがあります。
インプラントも良い治療方法ですが、下記の治療方法も歯牙の保存には一つの選択肢となることと思います。
自家歯牙移植法
機能していない自分の歯を歯の抜けている所に移植します。自分の歯のインプラントの様なものです。
※当院では対応しておりません。
歯内療法
歯の根の先の顎骨内に大きな膿が溜まっているとき外科処置をしないで処置できます。
意図的歯牙再植法
歯の根の尖に大きな膿がたまり歯内療法では治療不可能な状態の一つの治療選択肢です。
歯根端切除術
歯根の尖に溜まった膿だけを手術で除去します。
歯根分割除去法
歯の根が2本あるいは3本あるとき、病変のある歯根だけを分割切断して、抜歯して歯全体は保存します。
歯の移植とは
ご自分の歯を利用して、できる限り歯を活かす治療
歯の「移植」とは、不要な歯(親知らずなど)を抜歯して、歯の無い部分に穴を開けて植えたり、虫歯などで保存不可能な歯を抜歯し、その部分に植えることにより再度噛めるようにする治療法です。
この治療法は他人の歯では拒絶反応をおこしてしまい成功しません。
ご自身の歯のみでしか行えない治療法で、自家歯牙移植と言います。
自家歯牙移植は天然臓器の移植ですので、体に優しいばかりでなく、自分の歯のようにではなくまさに自分の歯で噛むことができます。
歯を移植する場合のメリット
- 拒絶反応が無いので安全です。
- 治療の範囲は、歯が抜けた部分で済ませることができますので、両側の歯を削ったり、舌触りの悪い金具が歯ぐきを覆うこともありません。
- 傷口が大きい割にほとんど痛みがありません
歯を移植する場合のデメリット
- 移植した歯を暫く固定しておく必要があります。(3週間程度)
- 骨や身体の状態が悪いと施術することができません。
- 移植に適した歯が無いと施術できないことがあります。
- しっかり噛めるようになるまで少し長い期間が必要になります。
Treatment process
治療の流れ
Step1
移植床(歯を埋入するところ)の準備
Step2
ドナー歯の抜歯(埋入する歯の確保)
Step3
歯の移植
Step4
移植歯の固定(移植した歯が抜けないように隣の歯に繋ぐ)
Step5
傷口の消毒
(翌日以降、傷口がある程度落ち着くまで約3、4日に一度の割合で来院していただきます)
Step6
根の治療(術後4週間を目処に行っていきます)
Endodontic treatment cases
歯内療法での治療例
根管内の消毒で感染源の除去が可能な場合に行いますが、根管内のすべての細菌が除去されるわけではありません。
[1] 術前
歯根の先端に大きな膿の溜りが黒い影で見えます。
[2] 術後
膿の原因となっている根管を消毒して再感染を止めた直後側方加圧充填法をしています
[3] 歯髄の透明標本
側方加圧充填法の根管内の状態。院長が作成した歯髄の透明標本です。
[4] 術後12か月
根管充填後12か月後
外科処置をしないで顎骨内の膿は消毒しています。
Case of tooth replantation
歯の再植術での治療例
[1] 術前
顎骨内に黒く丸い影があるのは膿です。歯内療法も無理で普通は抜歯の処置になるでしょう。
[2] 術後
この歯を一度抜歯して顎骨内の膿を出し、根管内から顎骨に出る感染経路を止めて再び顎骨内に植え込みました。
[3] 歯牙再植後6か月
歯根の周囲に健康な骨が出来上がっています。
Dentures
入れ歯
入れ歯とは
歯が抜けてしまうと、お口だけでなく体にまで影響する場合があるため、放置しておくのはお勧めしません。
歯の健康は、私たちが思っている以上に、日常の生活に密接に結びつき、その生活の質を大きく左右します。
入れ歯の治療を行うことで、噛み合わせがよくなり、しっかりと咀嚼をできるようになった結果、口の運動につながり、おしゃべりもできて生活に活気が出たという例は少なくないのです。
総入れ歯と部分入れ歯
総入れ歯
大部分の歯が失われた場合に用いるタイプです。総入れ歯は吸盤のように口の中で密着します。 「総入れ歯には違和感がある」というイメージをお持ちの方もいますが、現在の総入れ歯は大変精巧になっていて違和感なく噛むことができ、食事も問題なく楽しむことが出来ます。
部分入れ歯
1本~数本の歯を失った場合に受ける治療で、主にブリッジ治療を避けたい場合に用います。また上下ともに健康な歯が1本でも残っていることが条件となります。 取り外し式の部分入れ歯を歯肉の上に直接置き、周囲の歯にクラスプ(金属のバネ)で固定して噛めるようにします。
抜けた歯は他の歯にも影響します。
歯が抜けたままにしていると、食べ物が噛みづらいだけでなく、スペースを埋めるように隣の歯や上顎や下顎の歯が寄ってきて噛み合わせが悪くなったり、歯と歯のすき間が広がってう蝕(虫歯)や歯周病にかかりやすくなります。ブリッジや部分入れ歯などで対応可能なので、放置せずに歯科医院を受診しましょう。
当院では入れ歯の修理対応を行っております。製作は行っておりません。
Temporomandibular joint disorder
顎関節症
顎関節症の治療
顎関節症の患者で最も多いのは、「顎が痛い」「口が開かない」「噛めない」「頬が痛い」「顎が鳴る」といった症状を訴えて受診される方です。これらの症状の原因の大部分は、咀嚼筋の疼痛によるものとされています。
以前は、顎関節症という病名から、顎関節の病変が原因で疼痛や咀嚼障害が生じていると考えられていました。しかし、実際には多くの場合、咀嚼筋の痛みが主な原因であることが明らかになってきました。
たとえば、外側翼突筋は関節円盤および関節頭に付着しているため、咀嚼筋の痛みが顎関節周囲の痛みとして感じられることが多いのです。
顎関節症は、顎関節や顔面周囲の痛み、ならびに顎の運動障害を含む総合的な病名であるため、診断が難しく、「どこを治療の対象とすべきか」が分かりづらく、治療方針を誤りやすいという特徴があります。
こうした背景から、現在でも世界中および日本国内でさまざまな治療法が試みられており、目の前の患者の症状に対してどの治療法が最も有効かを断定できないことが多々あります。そのため、「とりあえずナイトガードスプリントを作製する」という対応が一般的に行われています。
顎関節症は「噛み合わせの異常によって起こる」と教えられてきた経緯もあり、私自身もかつては咬合器を用いて咬合診断を行っていました。しかし、時間をかけて診断しても、明確な治療方針が立てられないことが多く、「この歯が早期接触歯だから咬合調整する」「ここがバランシングコンタクトだから調整する」と判断し、歯を削ることなく、咬合面にコンポジットレジンを盛り足してバランスを取っていました。
その結果、患者さんの苦痛が大きく軽減したため、「治療は咬合に関係している」と確信していた時期もありました。
しかし現在では、「咬合器で咬合を修正すれば顎関節症が治る」といった考えに対して、反省の念を持つようになりました。
臨床経験を積み重ねた結果、顎関節症と咬合は必ずしも強く関連していないのではないかと、次第に感じるようになり、今日に至っています。
近年では、顎関節症は咬合とは無関係であり、顎周囲に起こるさまざまな症状を含む**アンブレラターム(包括的な病名)**であるとされ、「TMD(Temporomandibular Disorders)」と呼ばれ始めています。
顔面周囲の痛みの大部分は、咀嚼筋の疼痛によるものであり、解剖学的な顎関節内部には病的な問題が存在しないケースも多いと考えられています。
つまり「顎関節症」という病名は、あたかも顎関節自体に障害や病変があるかのような誤解を与えやすく、実際にご来院される患者さんの多くが「顎関節に問題がある」と思い込んでいるのが現状です。
世界的には、顎関節症と咬合は関係がないとさえ断言されるようになっていますが、長年にわたり咬合によって治療を試みてきた私にとって、それをすぐに受け入れるのは容易なことではありません。
なぜなら、咬合にアプローチしたことで顎関節症の痛みが劇的に消失した患者さんが、実際に存在したからです。
こうした難しい症例に対し、当院では現在、ナイトガードスプリント療法や筋肉の痙攣を和らげるストレッチ、暗示療法などを実施しています。歯を削ることはなく、削る必要がある場合もごくまれです。
なお、顎関節症は何をしても・しなくても自然に治ることが少なくないため、あまり神経質にならないことも大切です。
ただし、関節頭の骨折や関節内に腫瘍が存在することも稀にあるため、レントゲン検査は必要です。
現在では、「口腔顔面痛患者の中で最も多いのは顎関節症であり、その疼痛の大部分は咀嚼筋によるものである」とはっきり言える時代になってきたようです。
咀嚼筋の痙攣による持続的な筋収縮に伴う疼痛の主な原因は、筋肉への過度な負担と心理的ストレスとされています。
この「過度な負担」は、咀嚼筋の機能を超えた使い方、特にブラキシズム(歯ぎしり)やストレスによって生じます。
心理的ストレスは、咀嚼筋を緊張させることで筋痙攣の引き金となり、痛みの原因となります。
レジンダイレクトスプリント治療
レジンダイレクトスプリントとは、歯の表面に歯科用レジン(樹脂)を直接盛り足して作る、簡易的なスプリント(咬合挙上・咬合調整)です。
顎関節症の治療では、通常の取り外し式のマウスピース(ナイトガード)とは異なり、歯に直接レジンを接着して噛み合わせを一時的に変化させることで、顎関節や筋肉への負担を軽減させる治療法です。
Teeth grinding
歯軋り(ブラキシズム)
ブラキシズム(歯ぎしり)は、咀嚼筋の緊張による無意識の運動であり、歯牙の摩耗や咬耗がよく見られます。
また、歯周組織や修復物を破壊したり、顎関節症を引き起こしたりすることもあります。
せっかく治療した金属の修復物がすり減って穴が開いたり、天然歯が破折したりするため、治療上非常に厄介な症状です。
ブラキシズムの原因は今のところ明確ではありませんが、咬合異常、中枢神経の異常、特定の薬物、ストレスなどが指摘されています。
なかでも、ストレスが原因である可能性は高いといわれています。
私自身の経験ではありますが、希望する高校に合格したことで歯軋りが治った学生や、結婚が決まった途端に歯軋りが消失した女性もおられ、歯軋りには心理的要因が関係していると考えられます。
いずれにせよ、歯軋りは時間の経過とともに自然に治ることが多く、一生続くものではないようです。
治療については、原因が特定できない以上、実際に試してみて経過を観察するという姿勢が基本となります。
当院では、ナイトガードスプリント療法を多く取り入れていますが、これは原因を解決する治療法ではなく、対症療法として位置付けられています。
ナイトガードスプリントを使用したからといって歯軋り自体が治るわけではありません。
その目的は、スプリントを装着することで歯軋りがスプリント上で行われ、歯のすり減りや異音を軽減することにあります。また、咀嚼筋の疲労を軽減する効果もあります。
ただし、歯軋りが強い方では、ナイトガードスプリント自体がすり減って穴が開き、破損してしまうため、再製作が必要になる場合もあります。
ブラキシズムへの対応で特に注意すべきなのは、歯を削ってはいけないという点です。
近年の文献では、咬合と歯軋りは無関係であるとされており、歯軋りに対する咬合調整は行うべきではないという考えが主流になっています。