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白い歯!セラミック治療の時代

歯科用アマルガムは保険診療から廃止されコンポジットレジン充填

2016年4月から保険診療でのアマルガム充填は保険適応外の材料となりました。

健康保険でのアマルガム充填は出来ませんが、歯科充填材料として優秀な材料なので、保険外診療では現在過去未来、いつでも使用可能です。

環境汚染という観点、水銀アレルギーという観点から、先進諸国においてアマルガムからの撤退が始まりました。アマルガム充填は耐久性、辺縁封鎖性が優れて何と言っても安価であることが魅力で、今でも後発諸国では世界中で問題なく使用されています。

アマルガムについての以前書いたバナーはこれを機会に消却します。長い間皆様にはご愛読いただきありがとう御座いました。

アマルガムほか金属の歯材料の代用として保険ではコンポジットレジン(CR)が多用されることになりました。コンポジットレジン(CR)の奥歯での使用は摩耗に弱いので奥歯で食事をしているうちに、CRだけがすり減ってきますので、咬合点が無くなり、しまいには残存している歯質だけで噛み合う様になります。残存歯質が少ない時は、ついには歯が欠けたり変色したりと、歯と一緒にCRも欠けますので、再度充填を繰り返すことになります。詰めなおすのが判っていて、CR充塡する充塡材なのです。このことは日本歯科保存学会でシンポジストが答弁していました。さらにMI(ミニマルインターベーション)とかいって、2級窩洞形成の基本を無視した最小限の削合を隣接面隆線部に行うのが流行ですので、咬合力を窩洞や充塡物で受け止められない為に、充塡物は破折脱離が多くなります。

本来CR充填はラバーダム防湿下で治療が原則ですが、ラバーダムは健康保険から除外されましたので、保険診療でラバーダムを装着してCR充塡している歯科医は、いたとしても少ないはずです。となるとCRの材質的な強度は落ちて当然です。

前歯は別として奥歯においてCR充塡で、対合歯との咬合点を長期間しっかりと臼歯部咬合面で、咬頭嵌合位を作らなければならない時は、避けた方がいいと思います。咬合の確立も含めた高度の歯科治療を求めるのならば、臼歯部のCR充塡は避ける方がいいでしょう。齲蝕の暫間充填材料として、軽く考えればCRは十分に機能すると考えます。

臼歯部の保存修復はインレーよりコンポジットレジンがよろしいという宣伝が多い気がしますが、20年30年と患者さんの口腔内の経過を見ていると、私のような町医者の経験からすれば、少し違う感じをもちます。残念ながら安定した咬合点の回復、接触点の回復、耐久性、2次齲蝕予防などの観点からすれば、齲蝕治療後の修復は、メタルインレーやメタルアンレーに敵うものはありません。メタル修復は、削った歯への適合性を重視しますので、白金加金、ゴールドの展延性のいい金属の治療予後は確実に長期に口腔内で安定して機能致します。

最近の歯科保存治療傾向として機能より審美の傾向がありますが、ムシ歯で傷んだ歯が長く自分の歯として機能することが、歯科医療の治療であると岡村歯科では考えていますので、歯牙の修復は基本的には今の流行の治療に逆らって王道の歯科治療メタルインレーをお勧め致します。

しかし審美重視の治療希望の時にはオールセラミックスのインレー、アンレーでの修復を行い咬合点が減らない、狂わない方法をお勧めします。咬合点が天然の歯にある時は、ハイブリッドセラミックスでもかまわないと考えています。オールセラミックスもハイブリッドセラミックスも美しい天然の歯のような仕上がりになります。接着技術も向上致しましたので、審美治療の時はお勧め致します。

伝統的な金属焼き付けポーセレンも審美的かつ咬合回復には十分機能するものと考えます。院長は,埋没材でポセレンインレーを焼いていた昔から保存治療にセラミックスをいじっていた歯科医ですので 材料の進歩はすごいものを感じますが、歯科保存治療の基本は何も変わらず、昔のまま王道がありそれを採用しています。