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歯科衛生士の皆さんへ

歯科衛生過程「歯科衛生ケアプロセス」

平成27年4月1日から施行された改正歯科衛生士法が改訂されました。

この法律改正により歯科衛生士の社会的な地位、法的身分が一段と向上しました。

改正の具体的な内容は、

「予防処置を実施する際は、歯科医師との緊密な連携を確保した上で、歯科医師の直接の指導までは要しない」とするものです。

つまり、歯科医師の直接の指導までは要しないのでありますから、歯科衛生士の独立した判断による歯科衛生業務の歯科衛生ケアプロセス(歯科衛生過程)の完全実施が法律上可能になった瞬間の法律改正でありました。

それ故に、主に歯科医院内で歯科医師が診査・診断・分析・治療計画を立てて、歯科衛生士にその結果による治療介入の指示を出して歯科医師の監督下で歯科衛生士が口腔衛生業務などを行う「従来型治療モデル」の歯科衛生業務と異なり、歯科衛生士は、アセスメント、歯科衛生診断、計画立案、実施、評価、書面化の一連の業務により自立した口腔衛生担当「専門職モデル」として、他の職種(介護保険チーム 医科歯科連携医療)との連携により、社会でさらに活躍出来るようになりました。

歯科衛生ケアプロセスは、このように個人歯科医院であろうと介護分野、あるいは口腔保健事業であろうと、患者さんの健康のニーズに答えて口腔衛生業務を健康支援の起点とし、患者さんの全人生において健康のQOL向上に貢献する事が出来るという事です。

これから歯科衛生士は、歯科衛生ケアプロセス(歯科衛生過程)を推進して、歯科衛生士の社会的地位の向上、身分の改善の為に活躍する事が求められています。

歯科衛生士の皆さんは実力をつけて、歯科医師の管理下ではなく、歯科医師と同列の歯科医療のパートナーとして自立し、自信を持って口腔衛生業務を行ってください。

岡村歯科医院では、歯科衛生士は従来から歯科医師の管理下で数十年「歯科衛生ケアプロセス-歯科衛生過程」内容と同じの業務をおこなってきましたが、今回の法律改訂から歯科衛生士の完全自立の業務形態にシフトし始めました。それに伴い、下記の1—6までの内容に沿った「歯科衛生士業務記録用紙」を改訂致しました。

  1. 歯科衛生アセスメント
  2. 歯科衛生診断
  3. 歯科衛生計画立案
  4. 歯科衛生介入
  5. 歯科衛生評価
  6. 書面化(歯科衛生業務記録)

歯科衛生ケアプロセス業務に参加し、患者さんの口腔、および全身の健康の為に力を発揮してみたいと思う歯科衛生士さんは、岡村歯科医院までご連絡ください。

難しい国家試験をクリアした皆さんの歯科衛生業務にしては、あまりにも低い治療費で「歯科衛生ケアプロセス」を行うには個人経営歯科医院の経営が圧迫されます。しかし「歯科衛生士の業務範囲」の様々な業務と組み合わせて、頭を使いこのハードルを超えないと、患者への十分な口腔衛生ケアを行うことは不可能で歯科衛生士の存在の社会での重要性が薄れてしまいます。今行動を起こさなければ歯科衛生士の社会的地位は上がらないのです。

平成27年4月1日から施行された改正歯科衛生士法が改正されたのです。歯科衛生士の社会的地位と身分の改善の向上のチャンスとして「歯科衛生ケアプロセス-歯科衛生過程」を後に続く歯科衛生士の為にも少しずつ実践してください。

しかし歯科衛生士が何でも出来るようになった訳ではありません。確定診断する事、歯牙の不可逆的行為、レントゲンのスイッチ操作などは、いまだに規制されています。「歯科衛生士の業務範囲」の歴史は下記のようなものです。

昭和23年に歯科衛生士法が制定された当時、業務範囲は歯科予防処置のみでした。

昭和30年には「診療補助」が加わりました。この時から歯肉炎、歯周病のスケーリングほか、さまざまな歯科医療行為が出来るようになったと今は法的に解釈されています。

平成元年「歯科保健指導」が追加されました。

平成19年に日本歯科医学会における「歯科衛生士業務範囲に関する検討会」で、歯科衛生士の能力により「歯科医師が判断すれば広範囲の診療補助ができる」ようになる解釈にいたりました。

歯科衛生士法第2条第2項および第13条の2に「歯科衛生士は、歯科診療の補助をなすにあたっては、主治の歯科医師の指示があった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、又は医薬品について指示をなし、その他歯科医師が行うものでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし臨時応急の手当をすることは、さしつかえない」と記載があります。

つまり「歯科医師の指示があれば、歯科診療がおおむね可能となった」のです。

昭和23年の歯科衛生士法制定時代から今日の歯科医療そのものが大きく進歩しましたので、「診療補助」の法律的判断ならびに平成27年4月1日から施行された改正歯科衛生士法により、歯科衛生士の社会貢献の場がさらに広くなったことを歯科医師、並びに歯科衛生士自身がよく認識して、誇りを持った職業人として社会に貢献してください。

厚生労働省医政局歯科保険課長から「歯科衛生士が予防処置を行う際の留意事項について」のお知らせがありました。